薬とサプリメントの違い(前編:薬について)

薬とサプリメントの違い(前編:薬について)

Neoteceの開発者・薬剤師の高橋 と申します。

今回は前編は薬について、後半はサプリメントについて
の説明をし、2つの違いについてできるだけわかりやすく
解説したいと思います。

 

薬の特徴3つ

まずはじめに薬とサプリメントを比較して
「薬の方が強くてよく効くんじゃないの?」
というイメージがあるとします。(実際にそういうケースもあります)

今回は、少し客観的な視点で、サプリメメントと薬の
違いについて解説してみたいと思います。

個人的な経験則も踏まえ、薬の大きな特徴を3つにまとめると

①カラダの異常に対し、リスクのある働きをすること
②作る前も、作った後も厳しい制限がある
③「不調」には効きにくい

これらのケースについて紹介してみたいと思います。

①「マイナス×マイナス=プラス」のリスク発想
 
最近の薬は体質や遺伝子に働きかけることで、リスクの
 少ない薬も増えていますが、薬の効果は基本的には
 「強い作用を正常でない部分に当てて治す」
 という性質があります。
 
 例えば、血圧が高い人が飲むいちばんやさしい
 血圧の薬を健康な人が飲むと、めまいがして
 フラフラになってしまいます。

 なので正確にいえば「薬が強い」のではなく、
 そのひとの問題にあった薬の強さを選んで使用
 しているというのが正しいでしょう。

②「医薬品の厳しい制限は、開発後にも…」

 医療用医薬品の承認には厳しい基準があります。

 ・開発までに10年以上かかるとされている
 ・開発費用は近年1件当たり100億円以上 
 ・製造だけでなく、使える病気にも厳しい制限がある

 しかも医薬品には、使用についての厳しい制限があります。

 例として一時期「2000万円の抗がん剤」として話題となった、
 保険薬のオプジーボを例に出したいと思います。
 
 カラダの免疫を強化する働きがあるオプジーボは本来、
 がんの初期でも有効、むしろどのステージのがんでも
 理想的な治療といえます。
 
 しかし、保険上で使用が許されるのはステージの進行
 した一部のがんのみで、使用できる病気に制限が
 あるのが薬の特徴といえます。

 ③神経、不調の症状向きではない「薬」
  
①の例のように薬はわかりやすい体の異常
  に対して効果が出やすいものの、弱点といえる
  のが不調に対する症状。

  患者さんへの処方、自分が受診した経験からみても
  ハッキリ効くといえなかった症状として、

  「めまい、ホルモン、疲労、不眠」
   等の症状があるといえます。

  これらの不調は、性格や体質、生活スタイル
  など多くの要因が関係しているため、
  「明らかな原因を治す薬」が最も効きにくい
  症状のパターンでもあります。

 

 薬の特徴を例に例えると

 薬の特徴を例えると
 ・品質や商品には一定の信頼感・安心感がある
 ・一方で厳しいコンプライアンスにより、目新しい
  視点や新規性が出にくい
 ・一部の人には商品が合わない場合がある

  これらの特徴から、薬を分かりやすくイメージすると
 「コンプライアンスの厳しい上場企業」
 といったところでしょうか?

 「薬には信頼感がベースにある一方、薬だけではカバー
 できない分野もある」
 というイメージを持っていただけると、薬のことがより
 わかるようになるかと思います。

 次の後半では、サプリメントについて解説してみたいと
 思います。